セキュリティ特集


 CASE1〜CASE3までは、インターネットを介したデータの漏洩や不正アクセスについて、どのようにセキュリティを守っていったらよいのかを解説しましたが、どんなに強力なセキュリティシステムを導入しても、肝心のPC自体が盗まれてしまったら、まったく意味がありません。また、何者かによって知らない間に、会社のPCに直接ログインされ、データを盗み出されてしまうこともあるかもしれません。そこで、最後に当たるCASE4では、インターネットよりももっと身近なセキュリティの問題〜PC・データの盗難について考えてみることにします。

セキュリティスロット
ThinkPadシリーズ全機種に搭載される
「セキュリティー・スロット」
 まず、PC自体の盗難が考えられるケースとしては、電車の中やカフェなどでノートPCを広げて作業をしているときに、トイレなどの用でちょっと席を外した、という場合が想定されます。ノートPCは軽量で小型なので、ちょっとした隙に持っていかれてしまう可能性があり、ちょっとした用事でもなかなか目を離せません。こんなときには、きわめて単純な方法に思われるかもしれませんが、自転車のように、ノートPCをワイヤーでくくりつけておくという方法が有効なのです。ただし、これはワイヤーを接続するためのスロットがPC側に用意されている場合のみの話。たとえば、日本IBMの「ThinkPad」シリーズには、このワイヤーを接続するための「セキュリティー・スロット」が用意されており、市販されているワイヤーロックを間単に取り付けることができるようになっています。こうした細かい点にいち早く注目しているのは、初めからセキュリティのことを考えてPCを作っているという、IBMならではです。

指パス Ver2.0
指紋照合システム
「指パス Ver2.0 for IBM セキュリティ・チップ 」
(オムロン)
 また、第三者に勝手にPCにログインされてしまう、という事態を防ぐためには、さまざまな「ログイン認証システム」が有効です。その代表格ともいえるのが、指紋でユーザーを確認する「指紋照合システム」です。この装置は、登録されたユーザーの指紋をセンサーで瞬時に識別し、ユーザー本人以外のログインを強固に防ぐというもの。ご存知のように、人間の指紋は1つとして同じものがないので、間違っても、ほかの人の指紋ではログインできないのです。また、ログインする際に、キーなどのモノを使わないので、うっかりキーをなくしてしまったというようなトラブルも防ぐことができます。大事なデータをどうしても他人に見られたくないという場合、非常に有効な解決法といえるでしょう。

HardKey/BL
USBポートに抜き差しするだけで、データを
暗号化できる「HardKey/BL Ver.1.1 」
 このほか、もっと手軽にセキュリティを実現する方法として、USBポートにキーを抜き差しする「USBキー」があります。USBキーには、いろいろな用途がありますが、たとえばここで紹介する「HardKey」という製品では、USBポートにキーを挿さない状態では、内部のデータが暗号化されてしまうという暗号化製品です。ちょっとPCのそばを離れる時に、このキーだけをPCから引き抜いて持っていけば、その隙に第三者がPCからデータを抜き取ろうとしても、データが暗号化されているため一切の操作ができなくなっているのです。このほか、USBキーを差し込まないとPCの電源自体が入らないという製品もあるので、用途に応じて導入してみてはいかがでしょうか。

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